柿本量平のベストパートナー
柿本量平騎手を語るときに、「もっとも相性が良かった馬は誰か?」「もっとも強い印象を残した馬は誰か?」という議論が出ると思います(出ないか)。
その時に柿本ファンは、勝利を挙げたラッキーバニヤンやメガボルケーノだったり、最も多く騎乗したプリンセスルビーだったり、大井であっと言わせたホールドザボールだったりを挙げがちです。
しかし私は別の馬の名前を挙げます。その馬はポップコーンドール。今回は、このポップコーンドールについてご紹介します。
ポップコーンドールとは?
生年月日:2009/2/15
父:トワイニング 母:ポップコーンプリンセス(母父:オールドトリエステ)
所属:門別→船橋
通算成績:108戦1勝(JRA:8戦0勝 地方:100戦1勝)
柿本騎乗時の成績:【0-0-0-22】
戦績だけ見ればなんてことはない船橋のC3馬です。2011年に門別でデビュー後、アタック勝ちまでもう一歩のところまで漕ぎつけますが勝利は挙げられず船橋へ。翌2012年6月に初勝利を挙げますが、古馬になってからはC2で苦戦が続きC3落ち。その後も淡々と船橋や川崎の前半レースを温め続けました。
柿本とは2015年8月18日に初コンビ(川崎3R、11頭中9番人気9着)。続く2戦目、9月3日のレースでは後方から脚を伸ばし、単勝264.5倍の最低人気ながら2着とクビ+クビ差の4着に健闘。その後も6・6・5・8・6着と、馬券圏内には入れないまでも中間着でしぶといレースを見せます。
基本的に行き脚はなく、中団~後方から末脚を活かすタイプの馬で、自分の脚だけは確実に使えました。そのため、上位には入れずとも堅実に着はまとめられたのです。
その後一時コンビは途切れますが、翌年4月にタッグが復活。その後は引退までの16戦中15戦で騎乗し、2016年8月5日船橋4Rでは14頭中13番人気ながら4着と、またも健闘を見せたのです。
ポップコーンドール×柿本量平 全成績

これがポップコーンドールの柿本騎乗時の全成績です。
しかし、なぜ馬券圏内に入らなかったこの馬が柿本量平のベストパートナーなのか?
ポップコーンドールは走れば走るほど人気がなくなっていく馬で、柿本が騎乗した22戦の平均人気は10番人気、単勝オッズは150倍。それでも22戦中17戦で人気より上の着順に入り、平均着順は7.2着。これは立派な数字です。
実際に、柿本が多く騎乗したトップ5の馬の、それぞれのデータを比較してみます。
馬名 | 騎乗 回数 | 平均 人気 | 平均 オッズ | 平均 着順 | 人気より 上の着の 回数 |
プリンセスルビ― | 42 | 11.0 | 238.1 | 10.6 | 11 |
ホールドザボール | 31 | 10.9 | 267.6 | 10.0 | 15 |
イーグルウッド | 23 | 11.4 | 190.0 | 11.6 | 3 |
バロンキング | 22 | 9.5 | 118.6 | 7.5 | 13 |
ポップコーンドール | 22 | 10.1 | 150.1 | 7.2 | 17 |
どうでしょうか。上位5頭の内、平均着順と人気より上の着順に来た回数は最多。比較的騎乗後半は人気になることもあったバロンキングと比較しても、その成績は良好です。
すなわち、ポップコーンドールは実力よりも不当に評価を下げられていた(柿本のせいとか言わないで)。そして、その評価を覆す走りをほとんどのレースで見せていた、ということになります。
ちなみに柿本とのコンビが断絶していた間は塚本弘隆、山中悠希らが騎乗(2015年12月以降)していましたが、8戦して平均着順は7.5着。柿本騎乗時の方がわずかに成績が良かったのです。これも、柿本との相性の良さを表す数字の一つです。
以上が、私がポップコーンドールを柿本量平のベストパートナーに推す理由です。個人的にもこの期間は南関東競馬をよく見ており、いつかこの馬が穴を開けてくれるのではないか?と思ってよく馬券を買っていたものです。
あなたの考える柿本量平のベストパートナーは誰ですか?