【主戦騎手柿本量平?】伝説の調教師・宮下貴明厩舎

柿本量平

最後まで謎多き厩舎だった

前回の記事では、伝説の騎手・折笠豊和騎手を解説しました。

そして今回は柿本量平騎手と共に戦ったー騎乗回数が最も多かった、船橋の宮下貴明調教師について簡単に解説しようと思います。この厩舎はすごいぞ。

デビュー~しばらく

宮下貴明調教師は1962年生まれ。1998年4月6日に36歳でデビュー(初出走・船橋1R・アードワン・8頭中8番人気8着)し、4月30日に初勝利を挙げます(船橋8R・ガーネットシル・10頭中3番人気)。

何分デビュー当時の資料は乏しく、私も各種競馬情報サイトに頼るしかないのですが、デビュー直後数年は年間5勝~10勝程度をコンスタントに挙げています。中堅とまでは言えずとも底辺でもなく、下の上~中程度の成績で推移していたようです。2001年~2005年はジェラシックキセキという馬で5年連続の勝利(通算11勝)を挙げている他、勝利騎手を見ても佐藤隆・的場文男・内田博幸・左海誠二といったトップ騎手にも騎乗依頼を出しています。

2009年を境に成績が急降下

しかし2009年5月8日を最後に、一気に勝ち星から遠ざかります。2010年は103戦0勝、2011年は一気に出走数も減って38戦0勝。7月~10月には全く出走がありませんでした(理由は不明)。

翌2012年7月5日・川崎1Rで3年ぶりの勝利を挙げ、この年は3勝とやや盛り返しますが、翌2013年は93戦して再び年間未勝利。2012年は3番人気以内や単勝オッズ1桁台人気の出走馬も数頭いたのですが、2013年は3番人気以内・1桁台人気での出走がゼロ。前年に比べ、一気に馬質が低下したことを表しています。

柿本との関係

そしてこの頃、柿本が騎手デビューします。宮下厩舎管理馬との初出走は、2012年2月27日川崎7R(イーグルウッド・12頭中12番人気12着)。このイーグルウッドという馬は、柿本と通算23回コンビを組んでおり、この数字はプリンセスルビ―・ホールドザボールに次ぐ歴代3位の騎乗数です。しかし、最高着順は8着(でシンガリ)。出走全レースでシンガリorブービーという成績でした。

イーグルウッドの引退後は柿本が佐賀に行ったこともあり一旦関係は切れますが、2015年8月17日川崎1R(キョウワゴールド・12頭中12番人気7着)で再タッグ。そしてここから、柿本―宮下ラインの切っても切れない関係が、約3年半にわたり続くこととなります。

宮下貴明厩舎の大連敗

宮下厩舎は2013年以降も大連敗。2014年119戦、2015年180戦、2016年195戦、2017年151戦、2018年119戦、2019年30戦と全く勝てず、この間馬券圏内入着もたったの8回。気が付けば連敗は1000を超え、2012年の最後の勝利から1020連敗を喫していました。

その間も、宮下厩舎の馬には柿本が乗り続けます。2015年~2019年の宮下厩舎出走回数と柿本騎乗回数は以下の通り。

出走回数柿本騎乗柿本騎乗率
2015年1802212.2%
2016年1956533.3%
2017年1512818.5%
2018年1194336.1%
2019年30723.3%

特に多かった2016年は他に横川尚央、山口達弥、林謙佑、仲野光馬、瀧川寿希也、山中悠希、田中力、塚本弘隆、岡村健司、臼井健太郎、川島正太郎といった騎手が騎乗しましたが、2位の塚本弘隆(32回)にダブルスコアを付け、堂々の騎乗回数1位でした。これはもはや、厩舎の主戦騎手と言っても差し支えありません。

プリンセスルビ―を筆頭に、ポップコーンドール、キョウワゴールド、オーセンティック、モンシェル、エイシンシルキーといった馬たちと多くコンビを組みました。特にエイシンシルキーとのコンビでは、2018年5月1日・船橋2Rで10頭中最低人気ながら3着に入り、柿本自身3年ぶりの3着以内入着を果たしています。

そして2019年3月28日・浦和4R(ノゾミ・11頭中11番人気11着)の出走を最後に、21年にわたる現役生活から引退。最後に騎乗したのも、やはり柿本でした。結局、2012年の勝利を最後に引退まで約6年半負け続け、上述の通り1020連敗を記録。通算成績は2936戦73勝、勝率は2.5%。キャリアハイは2004年の10勝という数字でした。

比較的最近引退したので引退のお知らせ等が残っていても良さそうなものですが、ネット上を検索した限りそういったお知らせはなし。なぜ成績が急降下し、なぜここまで入着が無くても現役を続けられ、なぜひっそりと引退したのか。最後まで謎の多い厩舎だった…と言わざるを得ません。以上が、「主戦騎手柿本量平」を掲げた、宮下貴明厩舎の現役生活でした。

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